糖尿病による腎機能の低下について

糖尿病による腎機能の低下について

腎臓のおもな働きは血液中の老廃物を尿中に排泄し、血液をきれいにすることです(血液のろ過)。この血液のろ過は腎臓内部に約200万個存在する、細い血管の集合体である糸球体により行われています。老廃物の混じった血液は糸球体でろ過されることにより、老廃物は尿として膀胱へ送られ、ろ過された後のきれいな血液は体内へ戻される仕組みになっているのです。

 

糖尿病を患っていると、この腎臓の働きが正常に行われなくなってしまうことがあります。糖尿病により高血糖の状態が続くと、糸球体内部の細い血管が障害され、血液をろ過するフィルターの役割を果たせなくなるのです。その結果、血液中に不純物がたまり、生命に危険をおよぼすこともあります(これを糖尿病腎症といいます)。

 

糖尿病腎症の初期の段階では、尿中に微量のアルブミンが検出されます。これは、フィルターの目が徐々に荒くなり、たんぱく質の中でも特に分子量の小さいアルブミンが尿に漏れ出すためです。この段階で、血糖コントロールをきちんと行えば、腎症への進行を食い止めることができます。

 

しかし、このまま進行が進むと、明らかなたんぱく尿が認められるようになります。腎臓はまだ比較的よく働いていてい、自覚症状はまだありません。血圧をより厳格にコントロールし、たんぱく質の摂取量を抑える必要があります。

 

糖尿病腎症がさらに進行すると、ネフローゼ症候群の症状があらわれます。ネフローゼ症候群は、多量のたんぱく質が尿と一緒に漏れ出すことにより、血液中のたんぱく質が減少し、むくみ、腹水、呼吸困難などの症状を引き起こすものです。血圧、食事のコントロールに加え、疲労をさけるために仕事や運動の量についても制約が必要になってきます。腎臓のはたらきがさらに低下し、正常時の10〜20%の機能しか果たせなくなると、透析療法を始める必要に迫られます(腎不全)。

 

現在、透析治療を開始する要因の1位となっているのが糖尿病腎症です。糖尿病腎症を予防するには、血糖コントロールを良好にする必要があります。とくに腎症予防のための血糖コントロールでは、食事の量に加え塩分やたんぱく質の摂りすぎにも気をつける必要があります。糖尿病腎症は、の初期の段階で適切な食事療法、血圧のコントロールを行い、病気の進行を止めたり遅らせたりすることが大切です。

 

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